実家じまいにかかる費用はいくら?節約のコツや税金の注意点をプロが解説

実家じまいでは、片付けや不用品処分、相続、売却、解体、引越しなど、多岐にわたる費用が発生します。どれくらいの金額が必要なのか分からず、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際の費用は状況によって大きく変わりますが、全体像を把握しておくことで、無理のない進め方ができます。
この記事では、実家じまいで発生する主な費用と節約のコツ、税金面の注意点までプロがわかりやすく解説します。
実家じまいの手順と費用相場一覧

実家じまいの手順・内容・費用を、時系列でひと目で確認できるようにまとめました。
| 段階 | 手順 | 内容 | 費用 |
| 準備 | STEP① 家族・親族で合意形成 | 1.実家の今後の方向性を決定 2.費用負担や作業分担を決定 | ー |
| 相続 | STEP② 不動産の相続登記 | 1.相続人を決定 2.相続に必要な書類の準備3.相続人の名義変更 | ・相続税・所有権移転の登記税率は1,000 分の4 ・司法書士に依頼する場合、5万〜15万円 |
| 整理 | STEP③ 片付け・不用品の処分 | 1.物の仕分ける 2.不用品の処分や遺品の整理 3.貴重品・重要書類の保管 | 不用品回収業者:3万~20万円 遺品整理業者:5万~50万円 |
| 処分 | STEP④ 不動産の処分 | 1.不動産会社に相談 2.売却・解体・賃貸を選択 3.不動産会社と契約 | 【売却】 ・仲介手数料:売却額400万円以上(売却額×3%+6万円)+消費税 ・抵当権抹消費用:司法書士に依頼する場合、1万〜2万円 【解体】 1坪あたり3~8万円 |
実家じまいの詳しい流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
>>実家じまいの手順をプロが徹底解説|スケジュールや費用相場、トラブル事例も紹介
ここからは、実家じまいで実際に費用がかかる(STEP②~④)について、さらに詳しく解説していきます。
実家じまいの手順STEP②不動産相続にかかる費用

実家を相続する際には、相続税や登記にかかる費用も発生します。特に相続税は遺産総額や相続人の数によって大きく変わるので、事前に確認しておきましょう。
相続税と、登記費用として必要な登録免許税額は以下のとおりです。
| 税金の種類 | 費用 |
|---|---|
| 相続税 | 遺産に係る基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
| 相続の登録免許税 | 不動産価額の1,000分の4 司法書士に依頼する場合、別途5万〜15万円 |
それぞれ詳しく解説していきます。
相続税
相続税は、遺産総額が一定額を超えた場合に課税されます。遺産の総額が基礎控除額を超えない場合、相続税はかかりません。
基礎控除額は以下の計算式で求められます。
遺産に係る基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額が1億円で、配偶者が8,000万円、子2人が1,000万円ずつ相続した場合、課税遺産総額の計算式は以下のとおりです。
課税価格の合計額 – 基礎控除額 = 課税遺産総額1億円 – (3,000万円 + (600万円 × 3人)) = 5,200万円
これを基に、各相続人の相続税額を計算します。
なお、相続税には以下の特例があります。
- 小規模宅地等の特例
- 配偶者の税額軽減
これらの条件を満たすと相続税の負担を抑えられるため、早めに適用可否を確認しておくと良いでしょう。
相続登記
不動産を相続した場合、名義変更のための相続登記が必要です。
登記には「登録免許税」という税金がかかります。相続の場合、登録免許税は不動産価額の1,000分の4です。
登記手続きは自分で行うこともできますが、複雑な書類準備や、法務局への申請が必要です。司法書士に依頼する場合、報酬として別途5万円〜15万円が必要となります。
なお、相続登記は2024年4月から義務化されており、遺産取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。 正当な理由なく放置すると罰金の可能性があるので注意しましょう。
片付けから売却まで実家じまいをスムーズに進めたいなら、プロに相談するのもおすすめです。
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実家じまいの手順STEP③片付け・不用品処分にかかる費用

実家じまいの片付けや不用品の処理は、自分でする場合と業者に依頼する場合とで費用が異なります。おおまかな目安は、以下のとおりです。
| 処分方法 | 費用 |
|---|---|
| 自分で片付け・処分をする場合 | 数千円~ ※自治体によって異なる |
| 不用品回収業者を利用する場合 | 3万~20万円 |
| 遺品整理業者を利用する場合 | 5万~50万円 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分で片付け・処分をする場合
自分で片付けや処分を行う場合、費用は自治体によって異なります。
粗大ごみの処分方法は「持ち込み」と「収集」の2つがありますが、一般的に「収集」のほうが高くなる傾向です。
例えば東京都では、「テーブル・座卓(最大辺1m以上1.5m未満)」の場合、持ち込みは400円、収集は900円かかります。
まだ使える家具や家電はリユースショップやフリマアプリに出せば、処分費用が削減できるかもしれません。収入になることもあるので、状態の良い物は、捨てる前に売却を検討してみましょう。
不用品回収業者を利用する場合
不用品回収を専門業者に依頼する場合、費用は部屋の広さや荷物の量、業者によって決まります。
大まかな目安は以下の通りです。
■不用品回収業者の費用相場
| 間取り/物品 | 費用目安 |
|---|---|
| 1K〜1DK(軽トラック1台) | 約3万円〜 |
| 3LDK〜4DK(2tロング箱車) | 約20万円〜 |
| 小型家具・家電(1点) | 約3,000円 |
| 大型家具(1点) | 約8,000円 |
不用品の種類や搬出経路(階段のみ・大型家電の取り外し等)によって追加料金が発生することもあるため、正確な金額を知るには事前の見積もりが欠かせません。
遺品整理業者を利用する場合
令和2年の総務省の調査によると、遺品整理サービスの取引は10万~40万円の間が多いとされています。遺品整理に加えて仕分けや処分費用も含まれることが多いため、処分業者よりも高くなる傾向があります。
出典:総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」
物量や地域で変動はありますが、一般的には次の価格帯が目安です。
■遺品整理業者の費用相場
| 間取り | 費用相場 |
|---|---|
| 1DK・1LDK | 5万〜20万円 |
| 2DK・2LDK | 9万〜30万円 |
| 3LDK | 15万〜50万円 |
遺品整理業者は単なる処分だけでなく、形見分けや貴重品の仕分け、供養などにも対応してくれるので、遺品が多い場合や遠方に住んでいる場合に便利です。
複数の業者から見積もりを取って、比較検討すると良いしょう。
実家じまいの手順STEP④不動産の処分にかかる費用

実家の不動産をどう扱うかによって、必要な費用や準備は大きく変わります。
売却するのか、更地にして土地だけを活用するのか、引越しを伴うのかなど、ケースごとのお金の目安を押さえておくことが大切です。
ここでは、不動産の処分方法別に主な費用を整理します。
不動産を売却する場合
実家を売却する際には、仲介手数料や税金などの費用がかかります。売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。事前にどのような費用がかかるか、把握しておきましょう。
| 種類 | 費用 |
|---|---|
| 不動産仲介手数料 | 3.3%~5.5%売却額400万円以上 (売却額×3%+6万円)+消費税 |
| 印紙税(売買契約書) | 500円~30,000円 (軽減税率 ※令和9年3月31日まで) |
| 譲渡所得税(利益が出た場合) | ・所有5年以下 約39% ・所有5年超 約20% |
| 抵当権抹消費用 | 2,000~4,000円 |
不動産仲介手数料
不動産業者(宅地建物取引業者)の仲介によって不動産取引の契約が成立した場合、仲介手数料が必要です。仲介手数料は、以下のように上限額が定められています。
| 物件価格 | 仲介手数料(税込) |
|---|---|
| 200万円以下 | 5.5% |
| 200万~400万円 | 4.4% |
| 400万~ | 3.3% |
例えば、3,000万円(税別)で実家を売却した場合は、
200×5.5% + 200×4.4% +(3,000−400)×3.3% = 105.6万円(税込)
となります。
なお、400万円以上の取引であれば「売買価格の3%+6万円+消費税」と覚えておくと便利です。
印紙税
不動産の譲渡に関する契約書には、印紙税がかかります。
なお現在、不動産の譲渡契約書には印紙税の軽減措置が講じられ、本則税率よりも低い税率が適用されています(令和9年度まで)。
主な契約金額別の印紙税は以下のとおりです。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 50万~100万円 | 1,000円 | 500円 |
| 100万~500万円 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万~1,000万円 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万~5,000万円 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万~1億円 | 6万円 | 3万円 |
(軽減税率 ※令和9年3月31日まで)
参考サイト:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
不動産売却の費用としては比較的少額ですが、契約時に必要となるため準備しておきましょう。
譲渡所得税
譲渡所得とは、土地や建物などの資産を譲渡することによって生ずる所得です。譲渡所得税は以下の計算式で求められます。
収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
課税譲渡所得金額がプラスになった場合、その金額に対して税金がかかります。
なお以下のケースでは、特別控除額が適用されます。
- マイホーム(居住用財産)を譲渡した場合 3,000万円
- 被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合 3,000万円または2,000万円
例えば、実家を売却して得た利益が2,500万円の場合、空き家の特別控除3,000万円を適用すれば、譲渡所得税はかかりません。
ただし、特別控除には適用要件があるため、事前に確認してください。
特別控除を適用したうえで課税譲渡所得が残った場合は、その金額に対して税率(5年超は約20%、5年以下は約39%)がかかります。所有期間によって税率が大きく変わるため、売却時期の判断も重要です。
出典:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている実家を売却する場合、抵当権を抹消する手続きが必要です。抵当権抹消にかかる登録免許税は、不動産1つにつき1,000円です。
売却の場合は住所・氏名変更を伴うことが多く、さらに1,000〜3,000円未満程度の費用がかかります。
司法書士に依頼する場合は、別途報酬として1万〜2万円が必要です。
片付けから売却まで、ワンストップで行いたいなら、プロに任せるのがおすすめです。
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不動産を解体する場合

実家を解体して更地にする場合の費用は、建物の構造や広さ、地域によって大きく変わります。
構造別とエリア別のおおまかな解体費用の目安は、以下のとおりです。
| 解体の種類 | 費用 |
|---|---|
| 構造別の解体費用 | 1坪あたり3~8万円(木造>鉄骨造>鉄筋コンクリート造) |
| エリア別の解体費用 | 木造の場合 ・1坪あたり関東3万7,000円 ・中部・関西3万5,000円など |
詳しく見ていきましょう。
構造別の解体費用
解体費用は、建物の構造によっても異なります。一般的に、木造が最も安く、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)の順に高くなります。
■ 建物構造別の解体費用目安
| 建物の構造 | 解体費用の目安(坪単価) |
|---|---|
| 木造 | 約3万〜4万円 |
| 鉄骨造 | 約5万〜7万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 約6万〜8万円 |
例えば30坪の木造住宅なら約90万〜120万円が相場です。
エリア別の解体費用
解体費用は地域によっても差があります。木造住宅の場合、1坪あたりの目安は以下のとおりです。
■ 地域別の木造住宅の解体費用
| 地域 | 解体費用の目安(坪単価) |
|---|---|
| 北海道・東北 | 3万2,000円 |
| 関東 | 3万7,000円 |
| 中部・関西 | 3万5,000円 |
| 四国・中国・九州・沖縄 | 3万3,000円 |
関東は相場が高めで、北海道・東北は比較的安い傾向にあります。
例えば30坪の木造住宅を関東で解体する場合、約111万円(30坪 × 3万7,000円)が目安です。同じ建物を北海道・東北で解体すれば、約96万円(30坪 × 3万2,000円)となり、15万円ほどの差が生じます。
転居・引越し費用
引越し費用は荷物の量や距離、時期によって変動します。一般的な引っ越し費用は50万〜80万円ですが、3月〜4月の繁忙期は100万円前後になることも珍しくありません。
繁忙期を避けたり、荷物を少なくしたりすることで、引っ越し費用を抑えられます。
また複数の引越し業者から見積もりを取り、比較検討することも大切です。
一括見積もりサービスを活用すれば、効率的に相場を把握できます。
実家じまいの費用を節約するコツをプロが伝授

実家じまいには多額の費用がかかりますが、工夫次第で節約が可能です。
例えば、以下の工夫をしてみましょう。
- 片付けや処分は自分でする
- 不用品買取サービスがある業者を選ぶ
- 補助金や支援制度を活用する
ここではプロがおすすめする費用削減のコツを紹介します。
片付けや処分は自分でする
片付けや処分を業者に任せると便利ですが、自分で行えば費用を抑えられます。
特に不用品の処分は、自治体の処理施設に自分で持ち込んだほうが経済的です。軽トラックをレンタルして複数回に分けて運べば、業者に依頼する数万円〜数十万円の費用を節約できます。
重い家具や大量の荷物など、どうしても難しい部分だけを業者に依頼すれば、コストを最小限に抑えられます。
不用品買取サービスがある業者を選ぶ
不用品回収業者を利用する場合は、買取サービスがある業者を選びましょう。まだ使える家具や家電、骨董品などを買い取ってもらえれば、処分費用を相殺できます。
また、必ず相見積もりを取ることも重要です。複数の業者から見積もりを取って比較すれば、適正価格を見極められます。
買取と処分を一括で対応してくれる業者なら、手間も省けて効率的です。
補助金や支援制度を活用する
実家じまいに関連する補助金や支援制度は、自治体によってさまざまです。主な制度には以下のようなものがあります。
- 老朽家屋を解体するための補助金
- 都市景観を維持するための補助金
- 空き家解体補助金
- 空き家の3,000万円特別控除
- 空き家バンク活用時の補助制度
自治体ごとに条件や支援内容が異なるので、実家のある自治体のホームページや窓口で確認しましょう。
詳しい補助金制度については、こちらを参照してください。
>>実家じまいで活用できる補助金・支援制度5選!申請手順や注意点も解説
実家じまいで発生する税金の注意点

実家じまいでは、相続税や譲渡所得税など複数の税金が関わるため、早めに内容を把握しておくことが大切です。税制を理解しないまま進めると、特例を使い損ねたり、思わぬ負担が発生することがあります。
特に注意したいのは次の3つです。
- 不動産の売却タイミングに注意
- 空き家の3,000万円特別控除を活用
- 相続登記は義務化されている
実家じまいをスムーズに進めるためにも、税金まわりのポイントは早めに押さえておきましょう。
不動産の売却タイミングに注意
不動産の売却は、タイミングによって相続税の負担が変わることがあります。
相続税の評価額は「相続税路線価」をもとに計算され、市場価格より低く見積もられる仕組みです。
しかし、相続前に家を売却して現金に変えてしまうと、市場価格そのものが相続税の対象となります。結果として評価額が高くなり、相続税が増えてしまうケースがあります。
売却は、相続の流れを確認したうえで進めるのが安心です。
空き家の3,000万円特別控除を活用
相続した空き家を売却する場合は、「3,000万円特別控除」の適用可否を早めに確認しておきましょう。
この特例が使えると、譲渡所得が大幅に減り、税金を抑えられる可能性があります。
ただし適用には、相続から3年以内の売却や建物の状態など細かな条件があります。条件を満たしていないと適用できないため、早めのチェックが欠かせません。
売却を検討し始めた段階で、適用要件を確認しておくことをおすすめします。
相続登記は義務化されている
実家を相続したら、相続登記は早めに済ませておきましょう。登記を放置すると、手続きが進まないだけでなく過料の対象になることがあります。
2024年4月から相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
登記が済んでいないと売却や名義変更も進まず、実家じまい全体が滞りやすくなります。
早めに登記を終えておくことで、後々のトラブルを防げます。
まとめ

実家じまいには、片付け・相続・売却・解体・引越しなど、さまざまな費用がかかります。事前に全体の相場を知り、整理できる部分は自分で行う、不用品買取や補助金を活用するなど工夫すれば、負担を大きく減らせます。
また、相続税や譲渡所得税、相続登記の義務化など、税金面のルールは複雑で期限もあるため注意が必要です。
早めに計画し、必要に応じて不動産会社や司法書士などの専門家、経験のあるプロの業者に相談しながら実家じまいをスムーズに行いましょう。
手間をかけずに実家を売却したいなら

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