遺品整理はいつから始めればいい?タイミングや流れ、注意点をプロが解説

故人が亡くなって間もない時期は、気持ちの整理がつかず、いつから遺品整理をすればいいのか悩む方も多いでしょう。
法要などの区切りで進める方法もあれば、落ち着いてから取りかかる選択もあります。遺品整理を始める時期に明確な決まりはありませんが、先延ばしにすると、税金の支払いが発生したり、相続手続きが滞ったりすることもあります。
本記事では、遺品整理を先延ばしするデメリットや始めるタイミング、進め方と注意点を分かりやすく解説します。
目次
遺品整理はいつから始めてもよい

遺品整理を始める時期に、決まりはありません。四十九日といった法要時など、区切りがよく人が集まるときがおすすめです。
親族が一堂に会する機会を利用すれば、形見分けや処分の相談もしやすく、効率的に進められます。
また遺品整理は、故人と最後のお別れの機会でもあります。気持ちの整理がついてから始めたい方もいれば、早めに片付けて気持ちを切り替えたい方もいるでしょう。
遺族の状況や心情に合わせて、無理のないタイミングで始めてください。
遺品整理を先延ばしにするデメリット

遺品整理を後回しにすると、さまざまな問題が発生します。経済的な負担やトラブルが増える可能性もあるのです。
遺品整理を先延ばしにするデメリットは、以下の3つです。
- 家賃・固定資産税の支払いが発生する
- 相続関連の手続きが遅れる
- 空き家放置によるトラブルが発生する
それぞれ詳しく見ていきます。
家賃・固定資産税の支払いが発生する
遺品整理をせずに家を放置すると、賃貸の場合は家賃が、持ち家の場合は固定資産税の支払いが発生し続けます。
特に故人が賃貸住宅に住んでいた場合、遺品整理が終わるまで部屋を明け渡せません。その間、毎月の家賃を支払い続ける必要があります。
一方、持ち家の場合も、固定資産税は毎年課税されます。実家を処分する予定なら、早めに遺品整理を進めることで、不要な支出を抑えられます。
相続関連の手続きが遅れる
相続手続きを進めるには、遺品や遺産を整理し、相続財産の全体像を正確に把握することが欠かせません。遺品整理が不十分なままでは、相続対象となる財産を把握できず、手続きが滞りやすくなります。
例えば、相続する予定だった現金や有価証券、貴金属などを誤って処分してしまうと、相続人同士のトラブルに発展するおそれがあります。
また相続関連の手続きには、通帳や印鑑、不動産の権利書の書類も必要です。遺品整理が遅れると必要なものがそろわず、相続税の申告に間に合わなくなるリスクも高まります。
相続手続きをスムーズに進めるためにも、遺品整理は適切なタイミングで行うことが重要です。
空き家放置によるトラブルが発生する
遺品整理を進めないまま空き家として放置してしまうと、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。
空き家は盗難や不法侵入、放火などの犯罪に使われやすく、地域の治安悪化にもつながります。不法滞在やいたずら目的で立ち入られたり、野生動物が住み着いたりするケースも少なくありません。
また長期間放置すると建物の劣化が進み、雨漏りやカビ、害虫の発生などにより近隣住民に迷惑がかかる可能性もあります。
こうしたリスクを避けるためにも、計画的に遺品整理を済ませ、空き家のまま放置しないようにしましょう。
実家じまいとは?始めるタイミングから流れや費用、放置リスクまで解説
遺品整理を始めるタイミング

遺品整理は、状況に応じて適切なタイミングで始めることが大切です。相続や各種手続きの期限、親族が集まりやすい時期などによって、進めやすさや注意点が異なります。
遺品整理を始めるのにおすすめのタイミングは、以下のとおりです。
- 葬儀後【ご逝去から1週間以内】
- 役所・年金・保険などの手続き後【ご逝去から1週間〜1ヶ月】
- 四十九日法要・納骨後【ご逝去から約49日後】
- 新盆(初盆)法要後
- 相続放棄の手続き時【ご逝去から3ヶ月以内】
- 気持ちに整理がついてから
自分たちに合った時期を選び、無理のない形で進めましょう。
なお法的な手続きが必要なものや相続税がかかるものは、早めに対処してください。
葬儀後【ご逝去から1週間以内】
葬儀後から1週間以内は遺族や親族が集まるタイミングのため、遺品整理をまとめて進めやすい時期です。
人手を確保しやすく仕分けがスムーズに行えます。形見分けの確認などもその場でできるため、後日改めて連絡を取る手間が省けるのもメリットです。
ただし、葬儀直後は精神的に落ち着かない時期でもあります。無理に進めず、貴重品の確保や腐敗しやすい食品の処分など、最低限の作業にとどめるのも一つの方法です。
役所・年金・保険などの手続き後【ご逝去から1週間〜1ヶ月】
役所・年金・保険などの手続きがひと段落ついた頃は、ある程度気持ちも落ち着き、遺品整理を始めやすくなる時期です。
慌ただしい時期を過ぎ、冷静に判断できるようになるので、処分すべきものと残すものを落ち着いて選別できます。
四十九日法要・納骨後【ご逝去から約49日後】
四十九日法要・納骨などの法事で親族が集まるときは、人手を確保しやすく確認作業もスムーズに進められます。
四十九日は、仏教において故人を偲び、供養の一区切りとされる節目です。この時期に遺品整理を始めれば、気持ち的な区切りにもなり、親族と相談しながら形見分けや処分を進められます。
同様に、納骨後に本格的な遺品整理を始めるのもよいタイミングでしょう。仏壇の扱いや管理についても、話し合いがしやすくなります。
実家じまいでの仏壇の処分については、以下の記事を参考にしてください。
>>実家じまいで仏壇の処分はどうする?供養や手順、費用の目安を解説
新盆(初盆)法要後

急ぎでなければ、新盆(初盆)法要時に遺品整理を始めるのもおすすめです。
新盆の時期は親族が集まりやすく、お盆休みと重なるため、比較的時間に余裕をもって進められます。遠方に住んでいる親族も帰省しやすく、役割分担しながら整理できる点がメリットです。
ただし、亡くなってから1年近くの間、整理が終わらないまま実家を管理し続ける必要があります。腐敗しやすいものや手続き上の期限があるものは早めに対応を済ませておきましょう。
相続放棄の手続き時【ご逝去から3ヶ月以内】
遺産の相続放棄や一部のみを相続する場合は、故人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。この期間内に手続きをしないと、相続を承認したものと扱われるため注意が必要です。
この時期に、遺品の中身を確認したり書類を整理したりして、財産の状況を把握しておくと相続するか否かを判断しやすくなります。特に、故人に借金がある可能性がある場合は、通帳や契約書類などを確認しておくことが重要です。
一方で、相続放棄が受理される前に、財産価値のある遺品を処分すると、相続を承認したとみなされるおそれがあります。
そのため、相続放棄をする場合、この3ヶ月間は処分を進めるのではなく、遺品の確認や書類の整理などにとどめましょう。
相続税の申告時【ご逝去から10ヶ月以内】
相続税の申告が必要な場合、相続する遺産の価値を明確にする必要があります。
相続税の申告期限は、故人が亡くなってから10ヶ月以内です。遺品整理を行い、金銭的な価値があるものの洗い出しを済ませておきましょう。価値のある物が後から見つかると、申告のやり直しが必要になる場合があります。
計画的に遺品整理を進めておけば、余裕を持って相続税の申告ができます。
実家じまいの相続税やその他の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>実家じまいにかかる費用はいくら?節約のコツや税金の注意点をプロが解説
気持ちに整理がついてから
特に急ぎの手続きがない場合は、気持ちの整理がついてから、ゆっくり遺品整理を行うのも一つの方法です。
遺品整理は、故人との思い出に向き合う作業でもあります。無理に急ぐ必要はなく、心の準備ができてから始めても遅くはありません。
大切な写真や手紙、趣味の品など、思い出の品は時間をかけて整理しましょう。
ただし、相続放棄の手続きや相続税の申告は期限があるため、すぐに整理を始められない場合でも、期限だけは意識しておくと安心です。
遺品整理の基本的な流れ

遺品整理をスムーズに進めるには、事前に全体の流れを把握しておくことが大切です。計画的に進めれば時間と労力を無駄にせず、効率的に作業を終えられます。
遺品整理はまず、親族の了承を得てから始めましょう。独断で進めると、後々トラブルになる可能性があります。
遺言書やエンディングノートで故人の意思が記されている場合、それに従って遺品を整理しましょう。特に遺言書は法的効力があるため、開封前に家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
通帳や契約書類などの重要書類は、最初に確保し、遺品を形見として残したいもの、売却できそうなもの、処分するものに分類します。
仕分けが終わったら、不用品の処分を進めます。自治体の粗大ごみや、リサイクルショップ、遺品整理業者など状況に応じて方法を選びましょう。
最後に、部屋を空にした後、掃除機をかけたり、拭き掃除をしたりして、きれいな状態にします。賃貸住宅の場合は、原状回復のためにハウスクリーニングを依頼するケースもあります。
全体の流れを理解した上で、無理のないペースで進めましょう。
以下の記事では、実家じまいの手順を詳しく解説しています。
>>実家じまいの手順をプロが徹底解説|スケジュールや費用相場、トラブル事例も紹介
手間をかけずに実家を売却したいなら
遺品整理をする際の注意点

遺品整理は、法的な手続きや相続にも関わる作業です。思わぬトラブルを避けるため、事前に注意点を把握しておきましょう。
主な注意点は、以下のとおりです。
- 親族の了承を得てから始める
- 遺言書・エンディングノートを確認する
- 計画を立て実施する
- 相続放棄前に遺品を処分しない
遺品整理をする際に押さえておくべきポイントを解説します。
親族の了承を得てから始める
勝手に遺品を処分すると、遺産相続や形見分けなどでトラブルのもとになります。
一人で判断して処分すると、「あの品は私がもらうはずだった」「勝手に捨てられた」と親族から苦情が出る可能性があるからです。
特に金銭的価値のある物や思い出の品は、慎重に扱う必要があります。
葬儀や法事などの機会に親族で話し合い、処分の方針を決めておきましょう。
遺言書・エンディングノートの有無を確認する
遺品整理を始める前に、遺言書やエンディングノートがあるかを必ず確認しましょう。
親族以外にも、身近な人への形見分けの指定があり、故人の意思を尊重することが大切です。特に趣味の物など、ほかの人には価値がわかりにくいため確認しながら進めるのがおすすめです。
また遺言書には法的効力があります。家庭裁判所での検認が必要なケースもあるため、自己判断で開封せず、法に則って取り扱うことが重要です。
計画を立て実施する
遺品整理を進める際は、早めに対応するべき手続きを確認し、優先順位をつけて進めましょう。
相続放棄は原則3ヶ月以内、相続税の申告は10ヶ月以内に手続きをする必要があります。賃貸住宅の場合は、家賃が発生し続けるため、早めの明け渡しが求められます。
それ以外は時間のあるときに、ゆっくり進めても構いません。優先度の高いものから着手し、思い出の品などは気持ちの整理がついてから取りかかるのがおすすめです。
相続放棄前に遺品を処分しない
相続放棄を検討している場合は、遺品整理の進め方に注意が必要です。
金銭的価値のある物を勝手に処分すると、相続を承認したとみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。
故人の衣類や生活用品、写真アルバムなど、財産価値のないものであれば、処分しても問題ありません。
まずは相続放棄の内容や、故人の遺産状況を明確にしてから遺品整理を始めましょう。
判断に迷う場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談すると安心です。専門家のアドバイスを受けることで、状況に応じた適切な対応がしやすくなります。
まとめ

遺品整理は、故人との思い出と向き合う大切な時間でもあり、無理に急ぐ必要はありません。一方で、相続放棄や相続税の申告、住居の管理など、期限を意識しなければならない場面もあります。
心の整理と実務のバランスを取りながら、全体の流れや注意点を把握し、自分たちに合ったペースで遺品整理を進めていきましょう。
遺品整理から不用品の処分、実家の売却まで時間をかけずに行いたいなら、プロに任せるのもおすすめです。


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