実家じまいで仏壇の処分はどうする？供養や手順、費用の目安を解説

実家じまいでは、仏壇の処分に最も悩む人が多いといわれます。先祖への供養や親族への配慮、運搬や費用の確認など、想像以上に手間と気遣いが必要です。

慣れないことが多く戸惑う場面もありますが、正しい手順を知っておくことで心の負担を減らせます。この記事では、仏壇の処分方法や費用の目安をわかりやすく解説します。

仏壇はそのまま処分できる？

仏壇はそのままでも処分できますが、ご先祖様を祀るものなので、供養を済ませてから処分や移動を行うと安心です。

多くの宗派で行われるのが「魂抜き（閉眼供養）」という儀式です。菩提寺の僧侶に依頼してお経をあげてもらい、仏壇に宿った魂を抜く供養を行います。魂を抜くことで、仏壇は宗教的な意味を持たない「物」となり、処分できる状態になるのです。

なお浄土真宗では、「遷座法要」という形で仏壇を移動・処分する際の儀式を行います。

宗派によって作法が異なるため、菩提寺や親族に確認してから供養をすることが大切です。

仏壇の処分は、心身ともに負担が大きく、手配や調整にも手間がかかります。難しいと感じたら、専門家に相談して進めるのもおすすめです。

仏壇を含め、そのまま実家を処分したい方は、実家じまいの相談窓口へご相談ください。

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実家じまいで仏壇を処分する手順

実家じまいで仏壇を処分するときは、あらかじめ手順を把握して計画的に進めておくと安心です。

他の片付けに追われることも多いため、事前に流れを整理しておくと、スムーズに進められます。

以下の手順を参考にしてみてください。

慣れない仏壇の処分は負担が大きいものです。無理せず、気持ちの整理がついたタイミングで、少しずつ進めていくとよいでしょう。

①親族に供養の連絡をする

まずは供養を行います。親族に相談し、必要に応じて参列を依頼しましょう。

仏壇は家族全員にとって大切なものです。勝手に処分を決めると、親族間のトラブルに発展しかねません。事前に連絡して了承を得ることで、後々の揉め事を防げます。

供養は家族だけで行うことも多く、必ずしも親族全員の参列が必要なわけではありません。

ただし「処分するくらいなら自分が仏壇を引き取り、供養したい」と考える親族がいる可能性もあります。葬儀や法事で親族が集まる際に仏壇の処分や供養の相談をし、理解を得ておくとスムーズです。

②お寺に供養を頼む

供養をする際には、菩提寺に魂抜き（閉眼供養）や遷座法要を依頼します。

先祖代々お世話になっているお寺があれば、そこに連絡するのが最も自然な流れです。家の宗派や故人の信仰を理解している菩提寺なら、適切な形で供養してもらえます。

ただし、代替わりなどで菩提寺との付き合いがなくなったり、引っ越しで遠方になったりしている場合もあるでしょう。その際は、インターネットで仏壇供養に対応してくれるお寺を探せます。位牌も一緒に処分する場合は、同時に供養を依頼してください。

なお供養の費用は、明言されないことがほとんどです。地域によっても異なるため、年長者や親族に確認しておくと安心です。

③仏壇の整理をして処分する

仏壇は、必ず中身や引き出しを確認してから処分しましょう。

仏壇には重要な書類が収められていることが多く、確認を怠ると、大きなトラブルに発展しかねません。土地の権利書や通帳、印鑑、家系図などが入っていないか、よく確認してください。

中身を整理したら、いよいよ仏壇そのものを処分します。しかし大きな仏壇は、運搬が難しく、自分で移動させるのは難しいものです。運び出しが難しい場合は、迷わず業者に依頼しましょう。

中身を確認し、専門業者の手も借りながら、仏壇自体の処分を行います。

負担を減らして実家じまいを進めたい方は、実家じまいの相談窓口へご相談ください。

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実家じまいでの仏壇の処分方法と費用の目安

仏壇を処分する方法には、いくつかの選択肢があります。気持ちの整理をつけながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

仏壇はご先祖を祀る大切なもののため、「処分する」と聞くと心理的に抵抗を感じる人も少なくありません。とはいえ、実家じまいを進めるうえでは避けて通れない工程でもあります。

主な処分方法と費用の目安は以下の通りです。

• 菩提寺：4万円～10万円
• 仏具店や葬儀屋：3万～7万円
• 不用品回収業者：1万～3万
• 自治体（粗大ゴミ）：数千円

気持ちに区切りをつけながら、信頼できる業者やお寺に相談して進めると安心です。

菩提寺に処分を依頼する

菩提寺や仏壇を供養してくれたお寺に、処分についても相談してみましょう。

供養と処分をあわせて依頼できれば、手間が省けるだけでなく、心理的な安心感も大きくなります。

ただし、お寺自体が仏壇を回収・処分してくれるわけではありません。基本的には、お寺が指定する回収業者に頼むことになります。

そのため、自分で業者を手配する場合よりも高くなる傾向があります。目安としては、4万円～10万円を見込んでおくと良いでしょう。

なお、すべてのお寺が仏壇の処分に対応しているわけではなく、対応を断られる場合もあります。また、お炊き上げによって仏壇の一部を供養してくれるお寺もあるため、事前に確認しておくと安心です。

仏具店や葬儀屋に処分を依頼する

葬儀屋や仏具店では、仏壇の回収サービスを行っているところがあります。仏壇の扱いに慣れた専門業者なら、適切に処分してもらえるので安心です。

費用は仏壇の大きさによって異なりますが、一般的に3万円～7万円程度が相場です。店舗によっては7万円ほどかかる場合があります。

自分で処分するよりは割高ですが、専門知識のある業者に依頼することで、安心して仏壇を手放すことができます。

不用品回収業者に依頼する

実家じまいの片付けを依頼した不用品回収業者に、仏壇もあわせて引き取ってもらえる場合があります。

不用品の引き取り費用は、部屋の広さや荷物の総量によって異なります。処分品が仏壇だけなら1万～3万が目安です。

ただし、すべての業者が仏壇処分に対応しているわけではありません。見積もりの際に必ず確認しておくことが大切です。

「仏壇も処分したい」と事前に伝えておけば、適切な方法や費用について具体的な提案をしてもらえるでしょう。

粗大ゴミに出す

自治体に粗大ゴミとして依頼し、処分する方法もあります。

最大のメリットは、費用を大幅に抑えられることです。専門業者に依頼すると数万円かかるのに対し、粗大ゴミなら1,000円〜2,000円程度で処分できます。

予算を抑えたい場合や、供養を既に済ませて仏壇が「物」になっている場合は、選択肢のひとつです。

ただし、自治体によっては仏壇を粗大ゴミとして受け付けていない場合もあるため、事前に確認が必要です。また、自分で指定場所まで運び出す必要があるので、大型の仏壇では難しいかもしれません。

また親族の中には「仏壇をゴミとして出すのは抵抗がある」と感じる人もいるでしょう。事前に家族と相談し、理解を得てから進めることが大切です。

仏壇の供養や処分をせずに、そのまま実家を手放したい方は、実家じまいの相談窓口の活用も検討してみてください。

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実家じまいでの仏壇の処分についてよくある質問

実家じまいで仏壇を処分するときは、供養や相続など疑問が多いものです。

仏壇は特別な意味を持つため、扱いに迷う人も少なくありません。

ここでは、よくある質問をまとめて解説します。

自宅で簡単に供養する方法はある？

小さな仏壇などを手元に置いて供養する「手元供養」という方法があります。

大きな仏壇は処分したいけれど、先祖への供養は続けたいと考える人は少なくありません。手元供養はコンパクトな仏壇に切り替え、現代の住宅事情に合わせて供養する形式です。

マンションやアパートでも場所を取らず、日常的に手を合わせやすいのが魅力です。また手元供養用の小さな仏壇は比較的安価で、デザインも洋室に馴染むモダンなタイプが増えています。

従来の仏壇から手元供養に切り替える際は、魂抜きをして移動したあと、魂入れの供養を行います。先祖を敬う気持ちを大切にしながら、ライフスタイルに合わせた供養ができる方法です。

仏具や位牌はどうする？

手元で供養しない場合は、仏壇の処分とあわせて不要になった仏具や位牌も一緒に処分しましょう。

残したままにしておくと、保管場所に困ったり、後で処分に迷ったりする原因になります。

位牌は故人の魂が宿るとされる大切なもののため、必ずお寺で魂抜きの供養をしてから処分しましょう。香炉やろうそく立てなどの仏具も、仏壇とあわせて処分を依頼するとスムーズです。

なお手元供養等を行う場合は、一部の仏具だけを残して使用しても問題ありません。

実家の相続放棄したら仏壇の供養をしなくていい？

相続放棄をしても仏壇の供養や処分は別の問題として考える必要があります。

民法897条では、仏壇や位牌、お墓といった「祭祀財産（さいしざいさん）」は、通常の相続財産とは切り離して扱うと定められています。

つまり相続放棄しても、仏壇やお墓の管理責任が自動的になくなるわけではありません。

誰が引き継ぐかを親族間で話し合い、祭祀財産を承継する人を決めておくことが大切です。

仏壇を処分せずに自宅に移動させる方法は？

仏壇を処分せず自宅に移動させる場合は、宗派の考え方に沿って適切な供養を行ってから運びましょう。

多くの宗派では、移動前に「魂抜き」や「閉眼供養」を行い、移動後に「魂入れ（開眼供養）」をして新しい場所で祀るのが一般的です。

ただし、浄土真宗では「魂抜き」の考え方を取らず、仏壇を「ご本尊を安置する場所」として扱います。そのため、移動の際は僧侶に読経を依頼し、移動の報告や感謝の意を込めた法要を行う形が一般的です。

仏壇の運搬は、引っ越し業者や仏壇専門の配送業者に依頼できます。小型の仏壇であれば自分で運ぶことも可能ですが、倒れや破損を防ぐため丁寧に取り扱いましょう。

まとめ

仏壇の処分は、実家じまいの中でも特に心身の負担が大きい作業です。供養の準備や親族への連絡、業者への依頼など、一つひとつに気を遣う場面が多く、想像以上に時間と労力がかかります。大切なのは、故人への感謝の気持ちを大切にしながら、自分たちに合った方法で整理を進めることです。

仏壇の処分や片付けの負担を減らして実家を手放したい場合は、専門のサポートを利用するのがおすすめです。

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