【生前整理のやることリスト】スムーズに進めるコツや注意点を解説 

近年は、相続や遺品整理による家族の負担を減らす目的で、生前整理に取り組む人が増えています。生前整理とは、元気なうちに身の回りの物や財産、デジタルデータなどを整理し、自分の希望や大切な情報を家族に残しておくための準備です。

しかし、整理する範囲は広く、何から始めればよいのか迷う方も少なくありません。

この記事では、生前整理でやることやスムーズに進めるコツ、注意点、活用できる制度について詳しく解説します。

もし、ご実家のことが少し気になっているなら、先にいまの状態を確かめておきませんか。4つの質問に答えるだけで、実家の状態と進め方の目安が分かります(1分ほど)。あてはまるものを選んでください。

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      目次

      生前整理をしないと起こる3つのリスク

      生前整理を先延ばしにしてしまうと、いざというときに家族が困ってしまう可能性があります。まずは、生前整理をしないことで起こり得るリスクを確認しておきましょう。

      ①遺産・財産が引き継げない

      預貯金や不動産など、財産に関する情報が整理されていないと、家族はどのような財産があるのか把握できず、大切な財産を引き継げない可能性があります。

      財産の存在に気づかれないまま処分されたり、後から新たな財産が見つかって遺産分割の手続きをやり直したりするケースもあります。

      生前に財産に関する情報を整理しておくと、こうしたトラブルを防げるでしょう。

      ②相続トラブルに発展する

      誰に何を遺すのかが不明確なままだと、家族間の対立を招く原因になります。

      「財産が少ないから揉めない」と考える方も多いですが、令和7年度の家庭裁判所の司法統計資料によると、遺産分割で争いになったケースの約3割は遺産額1,000万円以下、5,000万円未満まで含めると全体の7割以上を占めています。

      財産の額に関係なく、誰が何を引き継ぐのかを事前に明確にしておくことです。

      ③遺族の心身の負担が大きくなる

      本人の意思が分かる形で物や財産が残されていないと、遺族は処分すべきか、残すべきかを自分たちで判断しなければなりません。遺品整理や相続手続きには時間や労力、費用もかかるため、心身両面で大きな負担となってしまいます。

      生前整理で本人の意思や必要な情報を残しておくと、遺族の負担を大きく軽減できるでしょう。

      遺品整理にかかる費用や労力については、以下の記事を参考にしてください。

      >>遺品整理の費用はいくら?相場や内訳、安く抑える4つの方法【プロが解説】

      【STEP式】生前整理のやることリスト

      生前整理は範囲が広く、何から手をつければよいか迷う方も少なくありません。以下のSTEPに沿って進めることで、身の回りの物から財産、デジタルデータ、家族への意思表示まで、段階的に整理できます。

      STEP1. 身の回りの物を整理する

      STEP2.財産・不動産を把握する

      STEP3.デジタルデータを整理する

      STEP4.エンディングノートを作成する

      STEP5.遺言書を作成する

      STEP6.家族と情報を共有する

      順番に沿って整理を進めましょう。

      STEP1. 身の回りの物を整理する

      衣類や家具、家電、食器、本など、日常生活で使う物から整理を始めましょう。目に見える物から取り組むことで、作業の進み具合を実感しやすく、無理なく続けられます。

      まずは身近な物の整理から着手し、次のステップで財産や不動産の把握へ進みます。

      STEP2.財産・不動産を把握する

      通帳や保険証券、不動産の権利書など、財産に関わるものを一覧表にしておきましょう。金融機関ごとに口座をまとめ、不動産があれば名義や固定資産税の支払い状況も確認しておくと安心です。

      財産目録として整理しておけば、相続の際に家族が財産を探す手間を大きく減らせます。

      STEP3.デジタルデータを整理する

      ネット銀行の口座はもちろん、SNSやサブスクリプションなど、スマホやパソコン内にある情報も整理の対象です。

      放置していると、家族が必要な情報を確認できず、不要なサービスの契約が継続したり、解約手続きに手間がかかったりすることがあります。

      家族が確認できるように、各種サービスのIDやパスワードを一覧表にまとめておきましょう。

      STEP4.エンディングノートを作成する

      医療や介護の希望、葬儀の形式、家族へのメッセージなど、自分の思いを書き記しておくのがエンディングノートです。

      考えを言葉にして残しておくことで、家族が迷わず対応できるだけでなく、自分自身の心の整理にもつながります。手書きでもパソコンでも、形式は問いません。

      STEP5.遺言書を作成する

      財産の分配について意思を残したい場合は、エンディングノートとは別に遺言書の作成も検討しましょう。

      エンディングノートには法的効力がありませんが、遺言書は財産の分け方を法的に定められる書類です。「誰に、何を、どれだけ遺すか」を明確にしておくことで、相続トラブルを防ぐ効果があります。

      STEP6.家族と情報を共有する

      財産の保管場所や内容、自分の希望を整理できたら、最後は家族と共有する段階です。エンディングノートや財産目録の保管場所を伝えておくだけでも、いざというときの家族の負担は大きく変わります。

      伝えづらい内容ほど、早めに話しておくことが将来の安心につながります。

      生前整理をスムーズに進めるコツ

      やることが多い生前整理は、進め方次第で負担の大きさが変わります。無理なく続けるための4つのコツを紹介します。

      • 一度に終わらせようとしない
      • 「いる・いらない・保留」で仕分ける
      • 家族に相談しながら進める
      • 無理な作業は専門業者に依頼する

      ポイントを押さえてスムーズに進めていきましょう。

      一度に終わらせようとしない

      生前整理は、一度にすべて終わらせようとしないことが大切です。短期間で片づけようとすると心身に負担がかかり、途中で挫折したり、必要な物まで勢いで処分してしまったりする恐れがあります。

      「今日はこのタンス」「来週は書類」というように、範囲を区切って少しずつ進めましょう。無理のないペースで続けることが、最後までやり遂げるコツです。

      「いる・いらない・保留」で仕分ける

      生前整理では、物を「いる・いらない・保留」の3つに仕分ける方法がおすすめです。すべてを即座に「いる」か「いらない」かで判断しようとすると、迷いが生じて作業が止まってしまいます。

      判断に迷う物は一旦「保留」箱に入れ、時間を置いて冷静に判断しましょう。

      家族に相談しながら進める

      一人で抱え込まず、家族に相談しながら進めることも大切です。特に財産や不動産の扱い、医療・介護に関する希望は、家族と共有しておきましょう。

      早めに伝えておくことで、亡くなった後の誤解や対立を防げます。家族の理解を得ながら進めれば、残された家族の負担を大きく減らすことができます。

      無理な作業は専門業者に依頼する

      自分だけで進めるのが難しい場合は、生前整理の専門業者へ依頼するのも選択肢のひとつ。

      物の量が多い場合や体力に自信がない場合、判断に時間がかかる場合でも、専門スタッフが仕分けから不用品処分、清掃までを一括で対応してくれます。

      複数の業者から見積もりを取り、料金や作業範囲を比較することが失敗しないコツです。引っ越しシーズンにあたる2〜4月は繁忙期のため、依頼が割高になりやすい点にも注意しましょう。

      生前整理に関する公的制度と注意点

      生前整理を進めるうえでは、関連する公的制度についても知っておくと安心です。ここでは、特に押さえておきたい制度を紹介します。

      相続登記の義務化

      2024年4月より、相続登記が義務化されました。正当な理由なく登記を放置すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

      生前整理の際に「不動産権利書」の有無や登記名義を確認しておくことで、相続時の手続きをスムーズに進められます。

      遺言書の「法務局保管制度」

      自筆の遺言書を作成する場合は、法務局に保管を申請できる「自筆証書遺言書保管制度」の活用も検討しましょう。

      自宅で保管する場合に比べて、紛失や改ざんのリスクを避けられるほか、相続発生後に家庭裁判所で行う「検認」の手続きが不要になる点もメリットです。手続きの手間を省ける分、遺族の負担を大きく軽減できます。

      認知症に備える「任意後見制度」

      任意後見制度とは、将来判断能力が低下した場合に備え、財産管理や身の回りの手続きを任せる人をあらかじめ契約で決めておく制度です。

      元気なうちに「誰に、何を任せるか」を決めておくことで、いざというときに資産が凍結されるリスクを避けられます。判断力があるうちに準備しておくことが、この制度を活用するポイントです。

      生前整理に活用できる支援制度

      「生前整理専用」の助成金はありませんが、関連する支援制度はいくつかあります。

      代表的なのが、自治体の「高齢者向け生活支援サービス」や「居住支援制度」です。自治体によっては、不用品の整理や住環境の整備に対する助成を受けられる場合があるため、利用できる制度がないか窓口で確認してみましょう。

      生前整理の相談先・支援窓口一覧

      書類を確認する人

      一人で抱え込まず、公的な相談窓口を活用するのもひとつの方法です。代表的な3つの相談先を紹介します。

      自治体の高齢者相談センター(地域包括支援センター)
      生活支援や介護、終活の悩みなど、公的なサポートを受けるための第一歩となる窓口です。

      国民生活センター・消費生活センター
      生前整理業者とのトラブル(高額請求など)を避けたいときに頼れる、消費者トラブル対応の公的窓口です。

      日本公証人連合会・各士業の無料相談会
      遺言書など、法的な効力を持つ書類の作成を検討する際に、信頼できる相談先です。

      専門家に確認してもらうことで、安心して生前整理を進められます。

      まとめ

      生前整理は、不要な物を片づけるだけでなく、財産や大切な情報を整理し、家族の負担を減らすための準備でもあります。

      すべてを一度に終わらせようとせず、できることから少しずつ進めることが大切です。必要に応じて家族や専門家に相談しながら進めていきましょう。

      もし、ご実家のことが少し気になっているなら、先にいまの状態を確かめておきませんか。4つの質問に答えるだけで、実家の状態と進め方の目安が分かります(1分ほど)。あてはまるものを選んでください。

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